地域エネルギー2.0の実現へ
市民と地域が主導するエネルギー転換
世界全体では、近年、自然エネルギーと電気自動車(EV)の加速度的な普及拡大を原動力とする文明史的なエネルギー大転換が進みつつあります。同時に、エネルギーシステムは中央集権型から地域分散型へと移行しつつあります。この大きな変化を、私たち自身にとって、そして地域社会や環境にとって望ましいものにするためには、外部からの変化を待つのではなく、私たち一人ひとり、そして地域社会が主体となり、「自分ごと」として積極的に取り組んでいくことが求められます。
しかし、日本では依然として原子力回帰や化石燃料・化石燃料車に依存する政策や産業/経済が続いています。また、「メガソーラー問題」などに端を発して、太陽光発電や風力発電に対する社会的な反発も強まっています。この流れを変え、持続可能なエネルギー社会へと転換するためには、市民と地域が主体となる「地域エネルギー2.0」の実現が不可欠です。
ISEPは設立以来、「エネルギーデモクラシー」を掲げ、地域に根ざしたエネルギー事業を推進してきました。その経験を活かし、環境省・脱炭素先行地域事業をはじめ、全国での営農型太陽光、家庭向けオンサイトPPA・地域オフサイトPPA、EV普及支援、さらにはデンマークとの連携による日本初の第4世代地域熱供給など、次世代の「地域エネルギー2.0」の構築に向けた研究と実践を進めています。
これからも引き続き、ISEPへの変わらぬご支援・ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
所長 飯田哲也