ISEP Annual Activity Report 2025-26

環境エネルギー政策研究所 活動報告 2025-26

所長メッセージ

次の25年へ

ホルムズ海峡の緊張が原油・LNG価格を直撃し、エネルギー安全保障の脆弱さに直面しています。しかし日本では、国が「再エネ最優先」を掲げる一方で逆に急ブレーキを踏み、「アリバイ営農ソーラー潰し」に躍起になって支援策は放置される。メガソーラー問題で燃え上がったネガティブな言説は今も日本を覆っています。ISEPのこれまでの25年は、こうした幾重にも重なる持続可能なエネルギーへの障壁との戦いでした。

他方、世界では2025年、再生可能エネルギーが石炭火力の発電量を初めて逆転、蓄電池は世界の揚水発電の蓄電量を凌駕、そして新車の4台に1台はEVになり、いずれも加速度的に広がっています。

創立25周年を迎えた今年、私たちは「Repower Japan」を宣言しました。次の四半世紀に向けてのテーマは「AI-Native研究所」です。AIのチカラと ボトムアップで、停滞する日本のエネルギー政策転換に挑戦します。

東京のまちなかでも、500〜1000軒の屋根をまとめれば1メガソーラーに匹敵します。農村では、農地の5%をソーラー活用型農業に転換するだけで、農家と地域の自立の途が拓けます。日本の停滞を打ち破るのは、ひとにぎりの大規模開発ではなく、地域の隅々から立ち上がる市民の力と、AIの力の掛け合わせです。

ISEPはこの変革を理論や政策で語るだけでなく、現場で実装する「実践知の研究機関」であり続けます。AI-Nativeとして、リアルタイムのデータ分析、オープンソースを用いた自治体DIY再エネゾーニング、太陽光の営農型やネイチャーポジティブに関する客観的評価システム ―― いずれも、AIベースのIntelligentと実践をつなぐISEP唯一の特徴「Intelligent Pragmatism」です。

「次の四半世紀のエネルギー社会を、地域や市民の皆さまと共にデザインする」。この言葉を、今年度の活動報告とともにお届けします。

所長 飯田哲也

理事メッセージ

2026年3月5日に開催されたISEP25周年記念イベントでは、飯田所長から今後の構想が共有されるとともに、スタッフ一人ひとりが自らの現場での挑戦と、その先にある社会的意義を真っ直ぐに語る姿が印象的でした。

ISEPにはこれまで350名を超える国内外のインターン生が、現場で研究や実務を共にしてきました。卒業生たちが社会の多様な分野で活躍する一方で、現在のISEPを牽引するスタッフ自身も元インターン生であるという事実は、ISEPの知と志が次世代へ着実に受け継がれている証でもあります。

理論・政策・現場の実践をつなぎながら社会的インパクトを創出していくISEPの取り組みは、国内でも非常に独自性の高いものです。今後も国内外の多様な主体との連携を深めながら、新たな価値創出に向けた挑戦を続けていくことを期待しています。

理事 鈴木亨(NPO法人北海道グリーンファンド)

活動概要ハイライト

2025年度は、ISEP創立25周年という節目を迎え、これまでの活動を振り返るとともに、次のエネルギー転換に向けた議論とネットワークの深化を図りました。また、国内外での視察や受賞を通じて、ISEPの取り組みが広く評価されるとともに、新たな知見の獲得と発信を進めました。

ISEP25周年 記念イベントの開催

ISEPは設立25周年を迎え、記念イベントを開催するとともに、今後の研究・政策提言のあり方を大きく深化させる方針を打ち出しました。AIを研究の基盤として組み込む「AIネイティブ化」を掲げ、研究プロセスそのものの再設計に着手しました。ISEPはAIとエネルギー研究を統合する国際的な先進拠点となることを志向し、エネルギー転換に関する政策提言の高度化と発信力の強化を進めていきます。

ソーラーウィークW受賞

ソーラーウィーク2025では、ISEPが関わる2つの取り組みが受賞しました(「野辺山営農ソーラー」がソーラーウィーク大賞、「二本松営農ソーラー」が特別賞)。これらの受賞は、地域に根ざした再生可能エネルギーの導入や、持続可能な社会の実現に向けた実践的な取り組みが高く評価されたものです。地域主体のエネルギー事業の重要性を改めて示す成果となりました。

テキサス・カリフォルニア視察

再生可能エネルギー・EV・自動運転の導入が急速に進む米国・テキサス州およびカリフォルニア州を訪問し、政策、市場設計、系統運用、蓄電池の活用などについて調査を実施しました。特に、大規模な再エネ導入と電力システムの柔軟性確保の両立に関する知見を得るとともに、日本におけるエネルギー転換の加速に向けた制度設計や地域実装への示唆を整理しました。これらの成果は、今後の政策提言や地域エネルギー支援に活かしていきます。

Policy Advocacy & Research

政策提言・調査研究

Community Power

地域エネルギー事業

  • 北海道浦幌町の地域エネルギー事業計画づくりの支援をしました。
  • 山形県遊佐町の地域エネルギー事業計画づくりの支援をしました。
  • 京都・西陣織の老舗 細尾の再エネ100%に向けた取り組みの支援をしました。
  • まちなか市民ソーラーのビジネスモデルを検討し、都市部での導入計画を進めました。
Networking

ネットワーキング

PHOTOS & IMAGES

メッセージ

禁欲主義に人類を押し込むのではなく、宇宙スケールの電力(太陽光)と知(AI)の爆発的拡張で生態系全体を跳躍させる「Ei革命」。生命が高度な位相へと自己システム再編を遂げる「生態学的復活」のダイナミズムとは、Community全体が織りなす豊かな生命の横溢に他ならない。ISEPはこの光の道を切り拓く。

西嶋能成市民エネルギーやまぐち

ボランティアを経て2023年からISEPのスタッフとなり、バックオフィス業務を担当しています。いち市民ではなかなか力が及ばないと感じていた気候危機への対策や、人権・主権を尊重する社会のための活動に、ISEPを通して関われることをうれしく思います。自然エネルギーやその民主的な在り方についての情報に触れる機会も多いので、ここで市民としても少しずつパワーアップしたいと思っています。

小川奈穂子ISEP スタッフ

データで見るISEP

78

正会員個人

6

正会員団体

43

協賛会員個人

5

協賛会員団体

48

インターン

5

ボランティア

Design the future of energy democracy

エネルギーデモクラシーの未来をデザインする

環境エネルギー政策研究所は、持続可能で自立した地域と日本の自然エネルギー100%の実現に向け、政策提言と地域エネルギー事業の実践、人材育成を2000年から続けてきた独立・非営利の組織です。自然エネルギーに関わる政策・技術・コミュニティ・金融を結びつけ、1mmでも現実を動かすための取り組みを行なっています。
これからも私たちは、未来をみんなで選び取る「エネルギーデモクラシー」をコンセプトに、人と人、エネルギーと地域課題、地域と世界をつないでいきます。
そしていま、電気・熱・交通の統合やデジタル化によって、エネルギーの新しい世界が見えはじめています。私たちは自らの役割を再定義して、国内外の先駆的知見を組み合わせたソーシャルモデルとその価値を提案し、現実的な問題解決と大きな転換構想の双方を通して地域と日本のエネルギー転換に貢献し続けます。
Integrated development of policy, business, finance, and community

政策・ビジネス・ファイナンス・コミュニティの統合的発展

環境エネルギー政策研究所は、(1)エネルギー政策、(2)エネルギー 事業、(3)ファイナンス、(4)コミュニティの4つの領域を主要な活動領域としています。

持続可能なエネルギー社会を実現する上では、これらの領域の成熟と発展が不可欠であり、ISEPは地域エネルギー事業の実践を通じて新たなビジネス・ファイナンスモデルを構築し、その支援政策の提案をおこなっています。

Support

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寄付

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インターン

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